【ラチュレ】青山のホスピタリティ溢れるフレンチが素晴らしい
レビュー
訪問したのは9月中旬のまだ残暑の残る季節。
渋谷からテクテクと歩いて、青学の目の前にあるコチラのお店に伺いました。
着席すると席には草花がガラス張りの箱に飾られていて、こんなところから野山をイメージさせる雰囲気で、これから出てくるジビエ料理の期待を益々膨らませる演出です。
この日は4800円のランチコースを予約して伺いました。
ワインはいつもは白を好んで頂きますが、ジビエのこの日は赤の方が合うのかなぁ、ナンても思ってシラーを注文して始まりを待ちます。
先ず登場したのは、濃い目のブラウンのマカロンが獣の毛が毛むくじゃらに詰められた箱の上に乗ってお目見えです。
シェフ自らがお見えになって丁寧に料理を説明してくれます。この辺りはお客心をくすぐられますね。
このマカロンは鹿の血で作ったブラッドマカロンとのこと。
頂くと血の臭みは全く無く、甘く作りつつも香辛料が香る、お菓子と料理の両方の面を持ったようなマカロンで美味しいです。
スタートから驚きと美味しさを感じさせて期待させますね。
次はミライというトウモロコシのスープ。グラスの縁にはそのトウモロコシで作ったカリカリのスティックの削りチーズがけが添えてあります。
先ずはスープから。これがとても甘くてクリーミーです。添えてあるスティックにも付けて頂くとその甘さと削りチーズの濃厚な旨味でナンともタマラナイ美味しさに。
続いては、メカジキをベースにした食べるガスパチョ。
ジュレが散りばめられたメカジキに、焼いたズッキーニ、焼きなす、トマト、パプリカが彩る綺麗なお皿に、粉末のようになったガスパチョを振りかけるのですが、コレが冷たく冷やしてあるようで、その冷気がスモークのように一緒に注がれる楽しい演出付きで頂きます。
モチロン、メカジキは瑞々しく美味しいのですが、お皿を彩る焼きなすと焼き色を入れたズッキーニが香ばしくとても美味しいと思いました。この野菜と瑞々しいカジキを頂くと、とても元気の出る美味しさですね。
お次は食パンの様な形をしたパテ。
鹿、熊、猪、穴熊の4種のパテとの事。そして、その肉から取ったコンソメのジュレも。
お皿の右手にはこのパテを楽しむ3種のソース。それぞれ、ルバーブのシャム、なめこのピクルス、ほおずき。どれもこれも初めて頂くものばかり。初めてではないのは唯一、なめこぐらいでしょうか。
パテはとても濃厚な旨味が感じられます。パテの濃厚な旨味と周りのパイ生地の香ばしさが混ざり合って美味しいです。そしてルパーブの甘いジャムがこの濃厚なパテと相性抜群で、この組み合わせが一番美味しく感じました。
そしてこの日のメインは、南部高原豚のロースト。
振りかけられた青山椒の風味にパンチがあり、ジューシーでしっかりした豚肉の旨味を引き立てていて美味しいです。
添えてあるのは焼き野菜。蕪、インゲン、かぼちゃ、ジャガイモ、椎茸。
ソースは赤ワインベースで深みがあってフルーティな味わいで美味しいです。
いつも通りソースはバゲットでシッカリすくって完食しました。このバケットも香り良く、美味しかったです。
デザートはパフェ。
グラスの底には黒胡麻プリン。その上には牛蒡を使ったムースとアイスクリーム。そしてそこに牛蒡や胡麻を香ばしく焼いたものをふりかけの様に。
このパフェが絶品でした。牛蒡のムースがとても美味しく、黒胡麻プリンと一緒に頂くと絶妙の美味しさ。そして、そこに焼いた牛蒡の香りが素晴らしく合います。
最後にコーヒーと猪の脂を使ったフィナンシェ。
フィナンシェは猪の脂の効果なのか、香ばしく濃厚な甘さです。
最初から驚きとその美味しさに魅了され、それは最後まで続くまるでエンターテイメントのようなコースで最後まで美味しく楽しめました。
厨房で働く方のキビキビとした動きとホールのスタッフの方の気配りも素晴らしく、美味しさを陰で支えていたように思います。
そして一つ一つの料理を丁寧に説明してくれたシェフのお話。料理のことだけでなく、自らが猟をする立場からジビエに対する想いのお話も伺えてジビエへのイメージが膨らみました。
雰囲気、演出、想いと、この空間の様々なものが、この日の料理の美味しさに繋がってるようなそんな気持ちになってお店を出ました。
最後はシェフに通りまで見送って頂き、最後まで素晴らしいホスピタリティに心打たれました。
是非再訪したいと思います。
ごちそうさまでした。
Shop Information
ラチュレ
東京都渋谷区渋谷2-2-2 青山ルカビル B1F(GoogleMAPへ)
03-6450-5297